「F# を使う理由」シリーズで、F# の力強さの一端をご覧いただきました。ここで一歩下がって、関数型プログラミングの基礎を見ていきましょう。「関数型でプログラミングする」とは実際どういうことなのでしょうか。そして、このアプローチがオブジェクト指向や命令型プログラミングとどう違うのかを探ります。
考え方を変える
関数型プログラミングは単なるスタイルの違いではありません。これは全く異なるプログラミングの考え方なのです。純粋なオブジェクト指向プログラミング(たとえば Smalltalk)が、C のような従来の命令型言語とは異なる考え方であるのと同じです。
F# は非関数型のスタイルも許容します。そのため、既に慣れ親しんだ習慣を手放したくないという誘惑があります。F# を関数型でない方法で使い、考え方を変えずにいると、重要な側面を見逃してしまう可能性があります。F# を最大限に活用し、関数型プログラミング全般に流暢かつ快適に取り組むには、命令型ではなく関数型で考えることが極めて重要です。 そして、それがこのシリーズの目標です。関数型プログラミングを深く理解し、あなたの考え方を変えるお手伝いをします。
このシリーズは抽象的な内容になりますが、要点を示すために短いコード例を多く使います。以下の点をカバーします。
- 数学的関数:最初の投稿では、関数型言語の背景にある数学的な考え方を紹介します。また、このアプローチがもたらす利点についても説明します。
- 関数と値:次の投稿では関数と値を紹介します。「値」が変数とどう違うのか、そして関数と単純な値の間になぜ類似点があるのかを示します。
- 型:次に、関数と一緒に使う基本的な型に移ります。文字列や整数のようなプリミティブ型、ユニット型、関数型、そしてジェネリック型について説明します。
- 複数のパラメータを持つ関数:ここでは「カリー化」と「部分適用」の概念を説明します。命令型のバックグラウンドを持つ人にとっては、ここから頭を悩ませ始めるかもしれません!
- 関数の定義:関数を定義し組み合わせる多様な方法について、いくつかの投稿を使って詳しく見ていきます。
- 関数シグネチャ:関数シグネチャという重要なトピックを取り上げます。それらが意味するところと、理解の助けとしての使い方を説明する大切な投稿です。
- 関数の整理:関数の作り方を知ったら、次はそれらをどのように整理するのでしょうか。コードの他の部分で使えるようにする方法を探ります。